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2022/02/27 建築

設備の取出し/見えないところを丁寧に

壁面の電線管と配線の取出し状況である。透湿防水シートの貫通部位の水の進入防止の処置で、防水テープを貼った上からシームレス材で巻いてある。ここまでやっておけば万が一壁仕上の裏面に水が回っても一応の安心感があり、壁面内部への水の進入は防ぐことができるだろう。また防腐処理のされた横胴縁は20cm程度ごとに通気を兼ねた水抜きのスリットがある。よく配慮がなされた丁寧な仕事である。ややもすると透湿防水シートを張る意味を理解しないまま壁を貫通して、そのまま何の処置もせずに仕上面のシールでおしまいってことがある。そこまではないにしても「ヤリマシタだけ」のルーズな仕事は日常茶飯事、職方の仕事に対する心構えやちゃんとした施工管理、それと注意を喚起する監理の目線が欠かせない。見えるところ丁寧にするのは当たり前、見えないところをきっちり仕舞う施工者を選びたい。

2022/02/23 建築

板塀のコト/隣地からも美しく

板塀の納まりを考えるとき、支持をどうするか。金属の支柱で足元をコンクリートに埋め込んで固定するのが一般的だが、全て木で納めたい時はバットレスを付けるというのが古来のやり方で、これだと片方に出っ張りが生じる。それも嫌だなあって思っていたら、道すがら目に留まったのがこの大和塀で、スッキリと設えている。支持の角材を等間隔に置いて、基礎のコンクリートと塀の木支柱をステンボルトで縫い付けている。これだと出っ張りがないから、表裏関係なく取り付けることができる。ただコンクリート基礎の立上りは必要だが。オール木なので経年変化による木の風情が楽しめて、年数を経てもう終りかなって時は土に還り環境負荷が少ない。この板塀、とある製材・材木店の塀で、敷地内には商品の木材が整然と積まれていた。

2022/02/19 建築

数十年を経た床下を見ると

構造体は健全に保たれていました。まずは安心。ここのところの建物調査で普段は目にすることのない床下や天井裏を点検することで、建築当時の様子を伺い知ることができて興味深いものがあります。コンクリート基礎や下地の木材は劣化もなく良好ですが、建築当時の清掃は不十分だったようですね。カンナくずやノコくずをとらないまま床を伏せ込んだようです。今は床下環境を活かす造りもあって工事の残渣がある状態での引渡はあり得ません。いつの時代も良質な仕事は見えないところを大切にします。

2022/02/02 建築

地域木材活用セミナーを終えて

2022年1月26日にNPO法人サウンドウッズの安田さんを招請して、香川県主催による「地域産木材を活用した公共建築物をつくる」と題してセミナーを開催した。当初は26日と27日の2日に渡り、一日目が講演、二日目が現地見学の予定であったが、オミクロン株のまん延のため急遽オンライン開催になり一日に集約しての実施であった。以前だったら中止又は延期というはめになったであろうが、昨今のオンラインによる手段を得てからはこうして開催ができる。これはこれで悪くはないし経験値を重ねることができる。さて、安田さんの講演は2時間以上に渡り濃密なもので、林業から建築に至るまで豊富な実績事例を示しながら木材の有用性を熱く語つてもらい、地域材を使った木造建築をつくる上で木材コーディネータという職能が必要であることを示していただいた。2000年代初頭が地域材材用の黎明期だとすれば、あれから20年を経た今は全国で造られる木造建築が活況を呈し、拡大利用期に入っているのはまちがいない。香川においても例外ではなく、今後それぞれの場所で木の建築がつくられていくであろう。これから香川の木を使って香川らしい建物がたくさん生まれることを願っている。そのためには川上~川中~川下のポジションが連携を欠かすことなく、お互いを理解し、木材をコーディネートするシステムの組み立てが必要である。

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