ふと
思い立ったように
山に登りたくなる
何を考えるでもなく 何を思うのでもなく
無性に歩きたくなることがある
考えてみるとぼくは子どものころからそうだった
2/3くらい登るとでっかいコナラの木がある
この道の主だ
10年前はこの半分くらいの幹回りだったのに
周りの木々をどけてやるとどんどん太くなっている
こいつも
同じコナラだが若木の時にドエライストレスを受けたせいで
こんなに曲がっちまった
でもめげずにがんばったから「お前は偉いなあ」と
行くすがらを撫でてやる
山頂は
金比羅山の方向から夕陽が差している
景が長い
双木はいつしか一本になり片方が心なしか寂しそう
冬が近づいている