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2012/01/22 散歩道

土壁は究極のエコ建材

土壁は究極のエコ建材。「土壁はさぬきのうどんである」と言った人がいる。身近にあるとあたりまえだが、県外に出てうどんを食べると、さぬきうどんのうまさがよくわかる。経験と技で練られたさぬきの手打ちうどんは格段にうまいのである。

土壁が使われる家づくりは、全国的にみるとかなり減っているが、香川はまだまだつくられている。土壁の家がつくられるには、それを求める住まい手が いること、壁土となる良質の土があること、壁土をつくる業者さんと土壁をつくる職方の人たちがいることの三点が上げられ、どれが欠けても土壁は衰退する。 また、夏の蒸し暑い瀬戸内の気候が、吸湿性に優れている土壁を求めているといえよう。

昔、親が建てた家づくりを思い出す。今のようにハウスビルダーによる家づくりが一般的になる前の話。製材所、大工、左官、屋根屋、板金屋、電気屋、 建具屋、と主な職種の人たちを直接雇うかたちで家づくりは進められた。元祖直営方式だ。基礎づくりは父親が中心になり大工さんを手伝い、材木は地元の製材 所で山から降ろした木を製材して手当した。製材所で刻まれた材木は現場に運ばれて組まれる。棟上げの日は近所の人たちが「手間換え」で手伝いに来てくれ た。今で言えば自治会の小イベントみたいなもので男衆は現場、女衆は台所を手伝った。

人が多いから、みんなできることを次ぎ次ぎにやり、貫を入れ壁小舞まで一日でほぼ終えてしまう。素人がやるのでアバウトな面も多く、おおらかな家づ くりである。今のように耐力壁がどうの、小舞の割付がどうした、土の強度はあるのかなどと細かいことは言わない。全てが経験則の世界。小舞竹は近くに生え ているものを切り、(この頃はどの家の屋敷にも小舞用の竹があった)専用の器具で竹を割るのは子供の仕事である。元をこれにあてがい、割れ目をつけて竹を 持って走り割っていく。子供といえども家づくりの一役を担う。大人が現場を計って切り合わせ、運ばれた竹は数人の手で編みつけられて、あっという間に家の かたちがみえてくる。竹は生だったが、土壁の乾燥にたっぷり時間をとるので、土といっしょに自然に乾いたのだろう。足掛け二日で小舞は組あがり、これから 土付けとなる。

壁土は左官さんが段取りして現場に入った。たぶん土屋さんから仕入れたのだろう。それに近所の農家で分けてもらったスサの稲藁を切り込み、水あわせ と数回の切り返しで土とスサが馴染むのを待った。やがて程よく粘りが出てくる。荒壁付けは大直しを含めて父の仕事である。子供には壁土を差し出す仕事が回 され、塗り手と呼吸がかみ合って、その場の空気感が心地よい。左官さんの出番は中塗りからで、このように小舞掻き、荒壁付けまで自分たちでしていた。今は 「住まい手と共につくり・・・」などと言っているが、かつては住まい手自信で相当部分をつくるのが普通であったのだ。スローライフなどおしゃれな言葉は聞 かなかったが、時間の流れがとてもスローだった。

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2012/01/02 散歩道

今年もよろしくお願いします

新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

山と暮らしを見つめ地域の木を使った住まいづくりや建築を、
原点に立ち返りがんばります。

毎年登っている城山は2日が初登りになりました。
故郷の里山はいつもと同じように静かにたたずんでぼくを迎えてくれます。

当たり前に暮らすことの日常が続くことを願っています。
今年一年よい年でありますように。

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2011/11/18 散歩道

募集!山を訪ねるツアー

今年度2回目となるフィールドワークは、徳島のTSウッドハウス協同組合を訪ねます。国産スギの自然乾燥のパイオニアである同組合は、育林~伐採葉枯ら し~製材~自然乾燥~製品出荷と木材生産の過程で、建築用材として木の特質を最大限に活かすシステムを築いてきました。代々受け継がれた多くの経験のなか で培った林業と木材供給について学びます。

2011/09/22 散歩道

備えの本気度

東南海地震がとりだされる今日、当地香川にあっては備えに対する県民の意識はいまひとつの気がする。先般も当会(フォレスターズかがわ)の大西氏と、東日 本大震災の派遣活動に従事した陸上自衛隊第14旅団の楠見氏の講演がまんのう町町民文化ホールであった。まんのう町老人クラブ仲南支部とまんのう町教育委 員会によるものだったが、聴衆のほとんどがお年寄りであった。私も大西氏の前座で耐震診断と耐震改修について、香川県の取り組みを少し話をさせてもらっ た。住宅の耐震診断に6万円、耐震改修に60万円の補助が付くことを説明したが、はたしてどれだけ意識啓発になったかどうか・・・。自然災害は明日は来な いかもしれない。明日来るかもしれない。科学的にある程度予知はできても絶対的なものではない。さて、この補助金がもらえるには前提条件がある。「昭和 56年5月31日」以前に建てられたもの」とある。いわゆる新耐震といわれ建築基準法が改正された日を規準に線引きをしているわけだ。はたしてこれは意味 のあることなのだろうか?実務に携わってきた者としては、それ以降の住宅は耐震性が担保されているとはとても思えない。ましてや地方の確認申請のいらない (確認申請が安全を担保するものではないが)地域においてはそのような線引きは意味をなさない気がする。基準日なんか設定せずに、危ないと思える住宅は全 てカバーするくらいの度量が行政にはほしい。机上の前提条件ほど曖昧であてにならないものはない。一度震災に見舞われればそんなチョコザイなものは全て 吹っ飛んでしまう。必要なのはマクロ的な視点をもって対処することである。その方が結局は「安くつく」。暮らしの器は構造的に安心して住める住宅がすぐれ てデザインもいい。

2011/05/14 散歩道

楽しく、前向きに1985年に進もう!賛同します

”Forward  to 1985  energy  life”
に賛同します。
http://to1985.net/

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